【ヨーロッパ オーストリア】ブルックナー音大指揮科の合格体験記

リンツでの暮らし

こんにちは!のこです。
前回の記事で、アントン・ブルックナー私立音楽大学について記事を書きました。


今回は、ブルックナー音大の指揮科に焦点をあてた記事にしたいと思っています。

ということで、今回の記事は指揮科に合格したパートナーに書いてもらいます!

うまく書けるかな?よろしくお願いします!

海外の大学の予備知識

記事を書くにあたり、以下の名称をよく使うことになるので、必要な方は事前にご確認ください

  • 「大学」はドイツ語で・・・『Bachelor』(バチェラー)
  • 「大学院」はドイツ語で・・・『Master』(マスター)
  • 「1学期」はドイツ語で・・・『semester』(ゼメスター)

ブルックナー音大 指揮科(Dirigieren)

ブルックナー音大の指揮科(Dirigieren)は2コースあります。

  • 合唱指揮(Chorleitung)
  • 吹奏楽指揮(Blasorchesterleitung)

指揮科といえばオーケストラ指揮がほとんどの中、合唱と吹奏楽に特化しているのは大きな特徴です。
もちろん、両コースともオーケストラ指揮の授業も行われます。

合唱指揮はゲオルク・レオポルド教授、吹奏楽指揮はヨハン・メーゼンビヒラー教授による指導です。

ぼくは吹奏楽指揮科に入学しました。公式サイトの指揮科ページはこちらです

使用言語

授業はドイツ語で話されます。
個人的なレッスンや受講生の多い教養科目は、英語に変えてくれる場合もあります。

※のちほど説明しますが、受験時はドイツ語試験への合格が必須です。

授業料
  • EU/EEA圏の学士: € 363.36/ゼメスター(半年)
  • 第三国からの学士: € 726.72/ゼメスター(半年)

日本人の学生は第三国の料金になります。

日本の国立大学の平均は、約240万円~260万円(4年間)ほどなので、ブルックナー音大は4年間で80万円ほどと考えるとかなり安いです。

※ディプロマコース、さらなるコースを受講する人は追加で授業料がかかります。(授業料の詳細はこちら

受験の要件

指揮科に限らず、ドイツ語以外を話す全ての受験者は、ドイツ語の十分な能力を示さなければなりません。

大学受験に使えるようなドイツ語試験は、だいたい下のレベルから順に「A1→A2→B1→B2→C1→C2」とレベルがあります。
バチェラーはB1レベル(マスターはB2レベル)の合格証明書が必要です。

Goethe ZertifikatÖSDなどの試験が適用できます。

ドイツ語試験に関する公式サイトのページはこちらです

指揮科の入学試験

試験は3ラウンドで構成されます。
これは指揮科に限らず音楽科全体で共通です。

次のラウンドに進むには、各ラウンドに合格する必要があります。

指揮科の受験の流れは以下のとおりです。

  • 1次審査:動画提出
  • 2次審査:実技試験(指揮、ピアノ)
  • 3次審査:聴音、理論、口頭試験
1次審査「動画提出」

出願から動画提出までの流れは以下のとおりです。

  • Step1
    登録期限までにオンライン登録

    登録期限は学科・コースによって異なります

  • Step2
    大学からメールが届く

    動画をアップロードするリンクつきのメールが届きます

  • Step3
    1週間以内に動画をアップロード

    期限を過ぎると受験資格が失われます
    動画の要件はこちらをご覧ください

  • Step4
    合否通知

    学科のオンライン登録締め切りから2週間後に合否が通知されます
    自分が動画を提出してから2週間後、ではないのでご注意を!

2次審査「実技・ピアノ」

1次審査に合格すれば、2次審査からは現地の大学が受験会場となります。
通過者は試験日までに渡航をする必要があります。

2022年度の試験内容一覧は以下のとおりでした。

  • 初見指揮
  • 初見ピアノ
  • 用意した指揮
  • 用意したピアノ曲
  • 用意した弾き歌い曲
  • スコアリーディング

ぼくが用意した曲は以下のとおりです。
難易度やジャンルのご参考にしてください。

  • 初見指揮:なし
  • 初見ピアノ:なし
  • 用意した指揮:ベートーヴェン「交響曲第1番」第1楽章、ストラヴィンスキー「兵士の行進」
  • 用意したピアノ曲:シベリウス「木の組曲」から1曲、バッハ「平均律クラヴィーアソナタ」、ベートーヴェン「ピアノソナタ1番」1楽章
  • 用意した弾き歌い曲:モーツァルト「魔笛」
  • スコアリーディング:ホルスト「吹奏楽のための第二組曲」
3次審査「聴音、理論、口頭試験」

2次審査に合格できれば、3次が受験できます。
2022年度は、2次審査から1日あけて翌々日におこなわれました。

聴音・理論・初見でうたう口頭試験が1日かけてあります。

もっとも気になる理論試験についてはこちらをご確認ください。

以上が指揮科の受験の流れです。受験に関する公式ページはこちらです

受験体験記

ここからは、実際に受験したときの様子や詳細を書いています。
必要な方はご覧ください。

1次審査の動画提出は・・・

動画は最大5分のものを2本まで提出できるので、

  • 大学で所属していた吹奏楽団の、定期演奏会の指揮映像(背中の映像)
  • 受験用に練習した、単独ピアノへの指揮映像(正面の映像)

を提出しました。
決して画質や構図はよくありませんでしたが、とにかく自分の姿がきれいに映っているものを選びました。

現地での2次審査は・・・

渡航は余裕をもって数日前に完了しました。当日用に黒シャツ、黒ズボン、革靴を持参しました。

昼過ぎに試験が始まり、試験部屋の前で待機していると、自分の番の直前に初見用の楽譜が渡されました。

試験の内容としては、3曲用意せよと指定されていたピアノは1曲しか弾かず、用意してきた指揮曲も取り組まず、初見指揮だけをやらされました。
(人によっては全部取り組んだかたもいました。)

その日のうちにメールで合格の連絡がきました。

最終の3次審査では・・・

2次審査の翌々日、午前から試験が始まりました。

試験聴音と理論試験は、公式サイト(上記リンク)にある模擬テストとほぼ同じレベルのものでした。
試験時間は60分でした。

つづく口頭試験は、お昼休憩を1時間挟んでから始まりました。
時間は10分ほどで、初見で歌をうたうことと、音程をうたうことが求められました。
聴音と理論のテストで点がミスが多かった人は、ここで試験官に直しをされたそうです。

余談ですが、帰りの電車の都合で口頭試験が受けられないという事態になってしまったので、順番を早めてもらえないか相談してみたところ、快く対応してくれ、無事に試験を受けることができました。

試験が終わり、帰りの電車内で最終合格のメールをもらえました。

後日談

吹奏楽指揮科に合格したパートナーに、後日インタビューをしてみました!

受験時の雰囲気はどうだった?

受験生が多くてにぎやかだったよ。

二次の実技試験では、順番を待っていたら台湾人の学生が話しかけてきてくれて、「ここなら練習できるよ」と練習室を取ってくれたんだ。

受験生同士だけでなく、学生からも応援してもらえていい雰囲気だったよ。

アジアからの受験生も多かった?

韓国人のかたは多かったね。
日本人のかたには受験では出会えなかったけれど、入学してからは数人知り合いになれたよ。
ダンス科、演劇科を含めても、日本人は10人ちょっとくらいだと思う。

ほかの音大と比べて、ブルックナー音大の試験はどうだった?

どの音大も、指揮科の難関はピアノと初見演奏だよね。
ただ、ブルックナー音大はそれらが比較的やさしいと感じたよ。
試験のレベルが低いというわけではなくて、他の大学より指揮が重視されるというイメージを持ってもらえるといいかな。

ピアノ科じゃないのに、指揮科はピアノが難しいんだね。

そうだね。ほかの音大は、ピアノの課題曲にエチュードを指定したりするからね。
ただ、ピアノが苦手であれば器楽受験に変えることも可能な大学が多いよ。
オケ楽器と限定されているところがほとんどだから、サックスやギターは無理だけど…

ぼくはサックス吹きだから、ピアノをがんばるしかなかったんだ(笑)

2022年度の合格者は何名だったの?

合唱指揮コースはわからないけれど、吹奏楽指揮コースはぼくだけだと思う。

え?じゃあ、すごく難関ってこと?

どうだろう。
でもブルックナー音大は、学士指揮科のほかに特別コースの指揮科もあるんだ。

特別コースというのは、日本でいう聴講生だよ。
6ゼメスターで修了して、学位はもらえないから「大卒」の箔はつかないけれど、ちゃんと生徒として入学が認められるというものなんだ。

出願の際に学士指揮科と特別コース指揮科の2つの願書を出しておけば、同一の試験で2つの対象生としてみてもらえるよ。

ぼくはどちらにも合格できたから、学士のほうに入学させてもらったよ。

特別コースについてのサイトページはこれだね。

そう。学位がないといっても「修了書」はもらえるから、なにも形に残らないわけではないよ。指揮科の場合教授も同じ人だから、学士と同じレベルの授業が受けられるよ。

ありがとう!いつか学生生活についても教えてね。

もちろん!

〈おわりに〉ご覧いただきありがとうございました。

以上、ブルックナー音大の指揮科についてと、合格体験記でした!

2022年度の体験ですので、受験を予定されているみなさまは必ず公式サイトの情報もご確認ください。
これから受験されるみなさんのお役に立てれば嬉しいです。それでは!

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