こんにちは!のこです。
みなさんは、オーストリアといったら何を思い浮かべられますか?
日本から遠く離れた国ですから、ウィーン以外の都市は全然知らない、というかたも多いのではないでしょうか。
今回は、わたしが住んでいるリンツの有名な歴史、できごと、食べものなどをご紹介します。
オーストリア リンツについて
地理
オーストリアは、アメリカのようにいくつかの州が集まって成り立つ国です。
リンツはそのなかの1つ、オーバーエステライヒ州の州都になっています。
面積は95.9平方キロメートル、人口は約20万人。
横須賀市よりも小さく、港区と同じくらいの人口という、決して大きくはない都市です。
リンツは、ウィーン、グラーツに次ぐオーストリア第3の都市です
さて、リンツがどんな街なのか、とても有名なできごとを5つご紹介します!
ケプラーが天文学を研究
ヨハネス・ケプラーはドイツ出身の天体物理学者。
16世紀から17世紀にかけて生きた世界的偉人です。
日本では、「ケプラーの法則」でおなじみの名前ですね。
リンツにて14年間も天文学に従事しました。
それにちなみ、現在リンツにはヨハネス・ケプラー大学という工科大学があります。
また、ケプラーが働いていた場所は市立博物館になっており、
ケプラー自筆の書は州立図書館に保管されています。
世界で最も古いケーキ「リンツァートルテ」発祥
ケーキというスイーツは、実はリンツ発なのです。
世界最古のケーキ「リンツァートルテ」は、1600年ごろ誕生しました。
アプリコットジャムを詰め、格子状に編んだ見た目とアーモンドのトッピングが特徴です。
リンツに来たらまずはこれをいただきましょう。
お試しで食べてみたいかたはこちらがおすすめ
ヨーゼフ・アントン・ブルックナーのふるさと
ヨーゼフ・アントン・ブルックナーは、ベートーヴェンが第九を作曲した1824年に生まれました。
長らく教会のオルガニストをしていたので、作曲家デビューは遅かったです
ブルックナーが交響曲第1番を書き上げたのは39歳と遅咲きのデビューでしたが、今でも偉大な作曲家の一人です。
今やオーストリアで有名な音楽家といえば、
ウィーンはモーツァルト、リンツはブルックナーと言われています。
モーツァルトが『リンツ交響曲』を作曲
世界で最も有名な音楽家の一人がヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトです。
彼はウィーン出身ですが、リンツにもゆかりがあります。
当時リンツで力をもっていた伯爵からの頼みで、
「リンツ交響曲」という愛称で親しまれる、『交響曲第36番 ハ長調 K.425』を作曲したのです。
この曲は、交響曲第39番・40番・41番(モーツァルト三大交響曲)に次ぐ傑作となりました。
この曲はたった4日で作曲したのだとか…
ヒトラーが10代を過ごした思い出の地
リンツは、ドイツ出身のアドフル・ヒトラーにもゆかりのある土地です。
ヒトラーは、11歳からの9年間、リンツに住んでいました。
楽しい少年期・青年期を過ごしたリンツは特別な場所だったようで、のちの政策にも大きくかかわりました。
街のようす
隣国ドイツやチェコとくらべると、オーストリアは白やパステルカラーが特徴の、カラフルで明るい街並みです。
リンツはそんな街並みの中にも、小都市の静けさを持ちあわせた素敵な雰囲気があります。
おもな観光名所
三位一体像
中央広場(ハウプトプラッツ)の真ん中にそびえる、三位一体像は圧巻です。
20メートルにおよぶ高さと、彫刻の緻密な美しさが特徴です。
1723年に建てられたため、2023年は300周年の記念イヤーです。
ラント通り(Land Straß)
リンツの街並みや雰囲気を感じたいならば、ラント通りを通ってみましょう。
リンツ中央駅と中央広場を一直線に結ぶ道がここにあたります。
ここにはたくさんのお店や人で賑わっており、街で一番栄えている通りといえます。
新大聖堂(マリエンドム)
「マリエン・ドム」は、オーストリア最大規模の大聖堂です。
高さ130メートル、座席数は2万席にもおよびます。
1862年に建設が完了し、ブルックナーがこの大聖堂のために作曲した曲がお披露目されました。
また、見事なステンドグラスでも有名です。
実はそのなかにはケプラーも描かれています。
圧巻の聖堂内はぜひ生でご覧ください!
旧大聖堂(アルタードム)
旧大聖堂は、リンツの中心地、ハウプトプラッツ(中央広場)から見える位置にあります。
ここで、ブルックナーが13年間教会オルガニストを務めました。
写真がそのオルガンです(教会の後方)。
このオルガンはブルックナーオルガンという愛称がついており、黒鍵が♯と♭の2つに分かれているのが特徴です。
一般的なピアノはどちらも同じ黒鍵を用いますが、微妙に調律が返られているのだとか。
完成時期はなんと1678年。日本が江戸時代のころです。
教会の正面のようすも見事です。そちらはぜひ生で!
リンツ州立歌劇場「ブルックナーハウス」
ブルックナーハウスはリンツ市民のよりどころです。
このホールでは年間を通してたくさんのコンサートが行われます。
2009年には、ケプラーの生涯をえがいたフィリップ・グラスのオペラ『ケプラー』が上演されました。
毎年秋には「ブルックナー音楽祭」が開催され、街全体でブルックナーの偉業を称えます。
ちなみに、2024年はブルックナー生誕200周年、ケプラー生誕400周年です。
さまざまなコンサートが予定されていますよ。
モーツァルトハウス
モーツァルトハウスはウィーンが有名ですが、実はリンツにも存在します。
モーツァルトはここにしばらく滞在し、かの有名な「リンツ交響曲」を作曲しました。
家に入るとすぐ中庭に通じています。
残念ながらお部屋には入ることができませんが、入口すぐにモーツァルトの胸像があります。
胸像のとなりにある赤いボタンを押すと、リンツ交響曲が流れ出すという粋な仕掛けがありますよ。
聖ザンクト・フローリアン修道院
聖ザンクト・フローリアン修道院には、ブルックナーが埋葬されています。
ここにはブルックナーが愛用していたピアノなども置いてあり、非常にゆかりのある場所です。
修道院といっても規模が大きく、宮殿としても使われていました。
修道院の敷地、そして内装の華麗さに圧倒されるでしょう。
音楽に興味がないかたでも感動するスポットです。
ペストリングベルク
ペストリングベルク教会は、リンツのどこにいても見える高さにそびえています。
なんとここは標高500メートル以上。
そのため楽しみはいろいろです。
教会だけでなく、リンツを一望できる展望台がありますので、
ドナウ川、美しい自然、そして大聖堂などの眺めをぜひご覧ください。
付近には動植物園などもあります。
ペストリングベルク鉄道という市電に乗って坂道をぐんぐん上がっていく道中もとても楽しいですよ。
電車で登る道の中での勾配の急さはヨーロッパいちなのだそうです。
おまけ
リンツといえば、世界最古のケーキ リンツァ―トルテを生み出した場所。
食べるならば、リンツで最も親しまれているケーキ屋さんの「JINDRAK」(ジンドラック)のものがおすすめです。
市内に9店舗あり、人通りの多い場所には必ずあるのでぜひ行ってみてくださいね。
お試しでリンツァートルテを食べてみたいかたはこちら
まとめ
ウィーンに負けず、リンツにも深い歴史や美しいスポットがありますよね。
わたしはこの街がとても好きです。
雑踏にもまれることもなく、自分のペースで観光できるのも魅力のひとつです。
少しでも魅力が伝わればうれしいです!
ではまた!
コメント